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3の倍数
問題。
「4972741564513716」という数字。
これは3の倍数でしょうか?
答え。これは3の倍数です。
どうやって判別したかって?
「4+9+7+2+7+4+1+5+6+4+5+1+3+7+1+6 = 72」 で、これが3の倍数だから。
ホントかどうか割ってみると…
4972741564513716÷3 = 1657580521504572
うん、割り切れた。
これは、
「各桁を足して3の倍数になればその数字は3の倍数」
という技なんです。
有名なんで、結構聞いたことある方も多くいらっしゃるかと思います。
同じようなものに「9の倍数」判定ってのもあって、
「各桁を足して9の倍数になればその数字は9の倍数」
と。同じですな。
試しにさっきの数字の足した数が9の倍数(72)ということで割ってみましょう。
4972741564513716÷9 = 552526840501524
うん、整数。
あ、ちなみに
「『各桁を足して3の倍数になれば』『その数字は3の倍数』」
は
「『各桁を足した数字が3で割り切れたら』『その数字は3を約数として持つ』」
でも同じ意味です。『』の最初同士、最後同士を入れ換えても可。
他にもあった、全部足す技
こうなると、ほかの数字でもできないかなーって思いますよね。
検索すると…
どうやら11の倍数の判定が似てますねぇ。その内容とは、
「各桁を順番に『足して、次の桁は引いて、その次は足して…』と計算して、11の倍数になればその数字は11の倍数」
と。ちょっと面倒くさくなってますが。
ところで、最近暇を持て余していたので、この問題をずっと考えてました。
ほんと暇人ですねぇ~
それで、7の倍数もちょっとだけイジると、同じようになる方法を考えつきました。
「右から○桁目に3○-1を掛けて各桁を足したとき、7の倍数になればその数字は7の倍数」
というもの。ええ、指数です。何乗とかいうやつです。
とりあえず指数といえば…
「34 = 3×3×3×3」
☝(本体の数字) を (右肩の小さい数字) の分だけ掛け算するって意味
「30 = 1」
☝0乗は1。3じゃなくてもすべての数字が1になります。πでも0でも。
これらを踏まえておいてください。
7の倍数
では気を取り直して、ホントかどうか検証してみましょう。
「14」って7の倍数ですよね?じゃあこれをさっきの説明通りに、
「1×32-1 + 4×31-1」……ということは「1×3 + 4×1 = 7」
7の倍数だね!え?納得いかない?
じゃあ217とか。217 は 31×7なので7の倍数です。では、
「2×33-1 + 1×32-1 + 7×31-1」
……ということは「2×9 + 1×3 + 7×1 = 28」
7の倍数になりました。
正しそうな気もするが…?
証明しましょう。
7の倍数、証明
$$N:知りたい整数,n:Nの桁数,k:Nの桁目,a_{k}:Nのm桁目の数字$$
$$N,n,k,a_k∈N_0$$
とりあえず\(N\)を上で定義した数字たちを使って表現すると、
\[
N = \sum_{k=1}^n 10^{k-1} a_k
\]
って表すことができます。そして今回の肝である「処理したらまた7の倍数」ってのは
\[
\sum_{k=1}^n 3^{k-1} a_k =7M
\]
という式にできます。これらを駆使して、
\[N=7(何かしらの整数)\]
これ言えれば勝ち。ドン勝です。
さて、どうしましょうか。引いてみますか。
\[
N-7M=\sum_{k=1}^n (10^{k-1}-3^{k-1}) a_k
\]
ふむ。どうにかしたい項といえば…
\[
(10^{k-1}-3^{k-1})
\]
これですな。
…………。あっ!
\[
a^2-b^2=(a-b)(a+b)
\]
これ思い出した!2乗だけじゃなくて、ずっとこの(a-b)がうまく出てきてくれないかなぁ…
\begin{eqnarray*}
a^n-b^n&=&(a-b)\sum_{k=0}^{n-1}a^k b^{n-1-k}\\&=&(a-b)α_n\tiny{←Σの項がウザいのでαになってもらいました}
\end{eqnarray*}
いやぁ、でるんですなぁ!うまくできてますわぁ!
これをさっきの式に当てはめてやれば…
\[
10^{k-1}-3^{k-1}=(10-3) α_k
\]
これこれー!そしてー
\begin{eqnarray*}
N-7M&=&\sum_{k=0}^{n} [(10-3) α_k a_k]\\
&=&\sum_{k=0}^{n} 7 α_k a_k\\
&=&7\sum_{k=0}^{n}α_k a_k
\end{eqnarray*}
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
7出ました!
あとは移項して
\begin{eqnarray*}
N&=&7\sum_{k=0}^{n}α_k a_k+7M\\
&=&7[\sum_{k=0}^{n}α_k a_k +M]
\end{eqnarray*}
\(N=7(何かしらの整数)\)の形ですね。ドン勝です!
はて、これって。ほかの数字でも行けそうじゃないですか?
一般化
というわけで…倍数判定法を一般化してみると、
$$n桁の整数Nについて、m桁目に(10-l)^mを掛け、\\その各桁の数の総和がlの倍数なら、Nはlの倍数$$
9の倍数の話は(10-9)を掛けて足してたんですな~。
そして11の倍数も(10-11)を掛けて足してたんですなぁ。だから桁ごとにプラスとマイナス。
テストで通分するとき役立ちますね!では!
続編→「続・3の倍数を見つける方法」
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